親愛なる可愛いピートル・コカーサ

君の手紙を読んで、思わず笑ってしまった。
僕と吏祢の仲の悪さを知っていて、敢えて僕にそんなことを相談してくるなんて。
君はあまりに純情だね。とても可愛いよ。
僕と九印は、うまく行ってるってほどじゃないさ。
毎日言い争いをしたりしてるよ。
それに九印は、なかなか僕に身体を預けようとしてくれない。
抱きしめようとしたって跳ね飛ばされるんだ。
でも、やるときにはやってくれる。僕に心を開いてくれるんだ。
そんな時は、愛ってやつをちょっとは感じる。
……うん、そんな意味では、幸せなのかも知れない。

哀れなピートル。
愚かで間抜けな吏祢。変わり者で、愛想とか礼儀を知らない。
その上、魅力もないときた! 彼はなんにも可愛くないね。
そんな奴に振り回されて、君はなんて可哀想なんだろう。
君は、彼をもっといじめるべきだ。可愛がっちゃいけない。
彼は甘やかされると、もっと甘えん坊になって、臆病になるタイプだから。
吏祢のような人間は、いじめてこそ魅力があるものだよ。
…でもこれじゃ、君の相談の解決にはならないね。困ったものだ。
今度の日曜日、パリまで出かけようか。君の家へ迎えに行くから。
ゆっくりと話そう。

それまで君は、君自身の心を休めるがいい。
手紙から、君の苦悩が伝わってくるよ。そんなに苦しまないで。
君は日曜日までに、やるべきことがある。
ちょっとだけ吏祢をいじめてごらんよ。
きっと面白いし、君自身のためになる。
でも、君は吏祢を本当に愛しているようだから、くれぐれも
僕のように吏祢をいじめすぎちゃいけないよ。

最後に、僕は風邪を引かないんだ。過労にはなるけどね。
君こそ、身体に気をつけて。
愛に満ちたよい冬を過ごすことを願ってる。
それじゃあ日曜日に。

君を救う魔法使い シモン




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